ずいぶん前から特殊なノウハウ・知識を得るのに高額を払う時代になっています。セミナーに参加するだけで数万円払うというのも珍しくはないですね。
そんな中、僕はクライアントから高額なセミナー費用を頂いているにも関わらず「正解はありません!」と叫んでいます。しかも、何度も何度も繰り返します。
正解はありません
正解はありません。
これが僕にとってのマーケティングやマネジメントの基本概念です。データサイエンティストと最新の超高速コンピューティングがそろっても、正解は見つかりません。それは感覚的に確信していることです。
なぜなら、そう思っているからです。
なので、人前で話をする時、事業責任者として判断を下す時、新事業を推し進める時、色々なシーンで責任をもって判断を下してきましたが、それらの論拠は全てこれです。正解は無いということです。
正解があることとは
もちろん、正解があるものも、この世には存在しています。それは自然科学の領域です。
例えば、今何時なのか?オタマジャクシはカエルの子。水は酸素と水素でできている。その他数学に関することはたいてい答えがあります。
なので、科学的な論理に基づいて解決できることは一定領域あるのは確かです。そうは言っても、それらをもとに人が何かを判断を下す局面で、事前に正解を導き出すことができるのかというと、やはり「正解はありません」と言わざるを得ないでしょう。
高額を頂いておいて「正解はありません!」と叫んでいますが、意外とウケは良いようです。おそらく、ご参加いただいている人達はこれまでの経験から薄々それはわかっていたのでしょう。
そこへきて、胸を張って「正解はない!」と言ってくれるので納得されるのだと思います。よくぞ言ってくれた、と思う人さえいたのだろうと思います。
理解しただけでは不十分
ただし、頭の中で「正解はない」と処理できたとしても、実際の活動現場へ戻ってみるとそう簡単にはいきません。これまで何十年と「合っているかどうか」を気にして生きてきた人達にとっては、感覚が受け付けないようなのです。
意見交換の場で「先ほど、正解がないとお伝えしましたよね!」と何度も反復させていただいています。「理論と実践」が簡単には伴わないのは仕方がないとは思うのですが。言われてはじめて「あっ、そうでした!」となるようです。
では、どうしたらいいのでしょうか?
おそらく感覚が変わるまで数年かけてでも誰かに言い続けてもらうしかないのでしょう。第三者にお願いできるのであれば理想的だと思います。
自分以外の人に繰り返しフィードバックをもらう環境をつくって、長期視点で感覚を変えるように取り組むしかないのだと思います。
それでも、どうしても1か月でこの感覚を身に着けたい!と言われた時にはこう答えています。
「正解はありません!」
最後までお読みいただきありがとうございました。