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想いから考えてみるペルソナ設定について【島根・鳥取の採用マーケティング】

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約6分

こんにちは。小田川です。

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こんにちは。小田川です。

前回までのブログで、山陰エリアの採用活動でも活用すべき「採用マーケティング」の考え方や、取り組みに必要な一歩目の踏み出し方についてお話してきました。

今回は、企業が目指す方向性やビジョンなどの言語化された「想い」から、具体的な採用施策の決定・実行に移っていくために必要な「ペルソナの設定」について考えていきたいと思います。

ターゲットとペルソナの違いについて

一般的に「ターゲット」とは目標や的という意味で様々な場面で使われる考え方ですが、採用活動においては「企業が求める求職者の層や属性」の意味で使われることが多いと思います。例えば求人広告を用意する場面で「ターゲットはどんな方ですか?」と聞くと、「アルバイト募集なので学生やフリーターの20代の方に来て欲しい」や、「中途募集で技術職なので過去に似たような業務経験がある方を採用したい」というような形のお話をすることも多くあります。このように「ターゲット設定」は、求職者を共通の年代や属性、嗜好である程度の広さを持ってグループ分けをすることで、効率的に採用活動を進めていくことに役立てられています。

一方、「ペルソナ」とはラテン語で仮面を意味する言葉ですが、マーケティングにおいてはサービスや商品における「具体的で象徴的なユーザー像」を指す言葉として使われます。ターゲットと考え方は近い部分がありますが、思い描く人物像の具体性や設定をより細かく行っていくことが違いとして挙げられます。採用マーケティングにおいてはこのペルソナの考え方を用いて、自社で採用したい人物像をより明確にしていくことが、採用戦略全体のPDCAを円滑に回していくことに繋がります。例えば、上記のターゲットの事例で挙げた「20代の学生やフリーター」のようなある程度の絞り込みではなく、一人の個人として誰にでもイメージが出来るレベルにまで細かく設定を行っていきます。

ターゲット設定だと…
20代、学生かフリーター、近隣に在住、アルバイトを探している

ペルソナ設定だと…
・田中 真理(仮名)
・24歳、女性、●●市在住
・大学では●●を専攻
・大学卒業後、●●業界の●●株式会社へ就職、主にオフィス内での事務業務に従事、2年で退社。
・現在はアルバイトをしながら正社員としての仕事をじっくり探したいと思っている。
・両親とともに実家で暮らしている。
・休みの日は友人と一緒に近くのキャンプ場でデイキャンプをするのが楽しみのひとつ
・最近ロードバイクも始めてアウトドア全般が好き。
・普段の情報収集はスマホがメイン
・SNSはインスタとツイッターを利用していて、1週間に数回投稿もしている。
・人と話をするのは好き。友人や母親ともよくカフェでおしゃべりしている。
・仕事は楽しみながらしたいタイプ。
・黙々と作業を行うよりチームで議論しながら仕事を進める職場がいい。
・誰かに喜んでもらって感謝してもらえる仕事をしたいと漠然と思っている。

このように非常に具体的な人物像をつくることで、企業が採用で大切にしたいポイントや方向性を明確に出来ます。その結果、ペルソナへの訴求を軸にした視点からより効果的な情報露出や採用手段を検討する判断基準を整えることができます。また、面接や採用の判断基準にも活かすことが出来るので、より採用の精度・マッチング度を高めていくことにも繋がります。

どこまで決めればいいの?ペルソナの設定で大切にしたい2つの視点

採用マーケティングでのペルソナ設定は細かければ細かいほど良い訳ではありません。「こんな理想的な人物に来て欲しい」という面を第一において考え始めてしまうと、現実世界では実在しないような人物像が出来上がってしまいます。

理想を求めることは大切ですが、企業の要望だけを押し付けてしまったり、求める条件を高く設定しすぎてしまうと、「誰も応募してこない」という結果につながりやすくなります。本来は一人ひとりの価値観やパーソナリティは千差万別ですので、直接話をすると印象が変わったり、採用してから大きく成長したりする可能性も大いにあるはずです。その可能性の芽を摘んでしまわないようにすることも大切だと考えます。

そこで、ペルソナ設定で大切にしなければいけないことに、私は次の2点があると考えています。

①求める人物像に「本当に持っていて欲しい資質」を会社の方向性や経営戦略(想い)から考えること。
漠然と「いい人を採用したい」ということだけでは、ペルソナ設定を進めていくことは出来ません。そこで、会社や組織が目指すビジョンや方向性といった「想い」の部分を根幹に、入社後に活躍してくれるであろう人物に持っていて欲しい能力・知識・考え方といった部分を具体化していくことが必要です。その際、必ず持っていて欲しい部分と、持っていれば望ましい部分はわけるようにしていくことが最終的に設定を採用するかどうかを判断する際に効果的です。企業側の希望ばかりを強くしすぎないように、客観的な視点も忘れないようにしながら項目を設定していきましょう。

②ひとつの部署や意見だけで決定しない。社内のあらゆる角度から意見を集めて、ペルソナを決めるのではなくつくっていくイメージを大切にする。
出来上がる人物像は最終的に集約されていきますが、例えば人事のメンバーだけの意見で考えて決定してしまう、というのは得策ではありません。まずは骨格となる設定を仮設定したうえで、採用する部署の他のメンバー、直属の管理者、求める人物像に近い年齢やキャリアのメンバーといった様々な視点からの意見を集めていきましょう。この工程を得ることで現場、管理、人事の全領域を横断し企業全体の方向性に則した具体的なペルソナが出来上がります。また、社内全体で採用活動へ取り組んでいく動機付けにもつながり、既存のメンバーの考え方の擦り合わせや企業のインナーブランディングにもプラスの効果をもたらします。

ペルソナを決めることは単なる「手段」。常に変わり続けるものと考えましょう。

ペルソナを設定することは採用活動全体のPDCAを進めるための「手段」でしかありません。設定すること自体が「目的」となってしまわないように注意しながら、あくまで「想い」が中心の採用戦略を進める道程の一部だと捉えることが大事だと思います。また、一度決定したペルソナも採用活動を進める中で随時見直していくことが必要不可欠です。決定したからといって必要以上にこだわり続けるのではなく、施策の状況や結果の振り返りを受けて、方向性や手段と一緒に変動し続けていくものだと考えることが採用マーケティング全体をより意味のある活動にしていきます。(これは採用活動全体の方向性も同じです。業界の動向、地域の評判、商品やサービスの質、タイミング、従業員の満足度、業界でのポジショニングなど…、考えていかなければならないポイントは山ほどありますよね)

まとめ

今回は採用マーケティングにおけるペルソナの設定について取り上げてみました。次のブログでは設定したペルソナから具体的な採用手法を考える上でのポイントなどについてお話ができればと思います。

雨に暑さにと全国的にも気の抜けないシーズンですが、無理せずお身体に気をつけてお過ごしください。


次回もよろしくお願いいたします。

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