島根・鳥取のローカルwebマガジンの2021年振り返り
こんにちは。島根・鳥取の“地元の魅力再発見”メディア「日刊webラズダ」を担当している石原です。山陰の情報誌ラズダのHPでもある 「日刊webラズダ」 。2019年5月のオープンから2年以上が経過し、徐々にその名前を認知していただけるようになってきました。読者のみなさん、取材先のみなさん、サポート頂いているみなさん、本当にありがとうございます!
今回は「今年の目標」ではなく、2021年の一年の振り返りをザザっとしていきたいと思います。
それでは振り返っていきましょう。
日刊webラズダ2021年ハイライト!
2021年の日刊webラズダ年間数値(ユーザー数など)
まずは気になる数値関係から。その中でも、ユーザー数とPV(ページビュー)数の月別の推移を振り返り。下の折れ線グラフは、オレンジ色が2020年、青色が2021年です。
2020年11月に、初めて月間20万ユーザーを記録して以降、昨年1年間もコンスタントに月間20万ユーザー以上が流入。2021年9月には現在までの最高記録となる月間32万ユーザーを記録。
セッション(訪問)数では、年間合計4,911,944セッションとなり、月平均では約40万セッション。
PV数は年間合計7,095,541PVとなり、月平均は約59万PV、最高値は2021年9月の月間707,171PV。
2020年と2021年で変わったこと
いずれも2020年と比べ、数値全体を通して非常に成長した年だった2021年。ですが、グラフを見ていると気になるのは2020年4・5月のPV数の高さです。
この時期、何があったのか。思い起こせば新型コロナによる最初の緊急事態宣言が発令された時期と重なります。4月7日に東京をはじめとする首都圏と大阪・兵庫・福岡の7都道府県に発令され、その後4月16日には対象が全国に拡大されました。
時同じくして、トレンド入りしたキーワードが「テイクアウト」です。
日刊webラズダでも2020年3月から、地元の飲食店応援企画として、お店から情報を募り、テイクアウト・デリバリーの無料特集をスタート。もちろん、新しいお店の情報なども掲載していましたが、結果として人気を集めたのは「テイクアウト・デリバリー特集」でした。日刊webラズダにおける2020年の「テイクアウト」関連特集記事のアクセスは、新型コロナへの危機感が高まることと比例して増加。新型コロナへの不安が高まる→テイクアウト記事流入が増加→落ち着く→テイクアウト記事流入が減る、といった具合です。
2020年4月のアクセスランキングはこちら↓
また、同時期から毎週、山陰の公園を紹介をする連載記事「公園であそ部」もスタート。山陰でも「どこにも出かけられない」という機運が高まったため、せめて息抜きの場として公園にでも行きませんか?といった趣旨で始動。通常なら5月は大型連休もあり、県外等の旅行が活発化する時期でしたが、世情もあってか公園記事も次々とアクセス数を伸ばしていきました。
5月のアクセスランキングはこちら↓
改めて振り返ってみると2020年は「対コロナ」の様相が強く、特に前半は新型コロナに振り回された1年。テイクアウト、非接触・非対面、マイクロツーリズム・地元旅行など、今やトレンドから定番化しつつあるキーワードが盛り上がった時です。
時代は移り変わって2021年は、徐々に「withコロナ」の機運が増してきた1年だったように思います。2020年に注目を集めた「テイクアウト」も、Googleトレンド(下図)で見ると、2020年4月のピーク以降、8・9月に上昇するも、以降は落ち着いている様子。
少々強引ですが、2020年は「強制的に行動変容させられた時期」であるのに対して、2021年は「行動変容に対応してきた時期」であると言えるのではないでしょうか。
言葉を言い換えると、「ブーム・トレンド(行動変容)」が「当たり前」になったのが2021年。テイクアウトを例に挙げれば、2020年は「テイクアウトする」こと自体に特別感があったため、日刊webラズダでもテイクアウト記事はたくさん読まれました。しかし、2021年以降はテイクアウト記事を出しただけでは読まれなくなりました。
要因は様々考えられますが、ひとつは「テイクアウトが特別なことではなくなった=当たり前になった」ことが考えられます。これまでは「ランチする」、「テイクアウトする」は別物の選択肢だったのが、「ランチする=テイクアウトして家で食べる」になってきたのではないかと。
上図はGoogleトレンドで調べた、2020年1月~2021年12月までのテイクアウトとランチの検索トレンドの推移です。2020年5月にはテイクアウトが隆盛し、ランチはガクンと下がったものの、以降ランチが逆転し、テイクアウトが落ち着いているのが分かります。
テイクアウト文化が当たり前となったことで、ランチで調べた際に「テイクアウト情報は載っているものだ」と認識され始めているのかもしれません。つまり、「ランチ情報が主体のウェブコンテンツにはテイクアウト情報を添えておくべき」ということでしょうか。
テイクアウトの話ばかりになりましたが、何が言いたいかというと、2021年はブームから定着化(または廃れる)までの流れが早く、また東京オリンピックをはじめ話題も多彩であったため、非常にユーザーの検索ニーズが多様化していった。と考えています。
ニーズに“寄る”だけではなく、“気づき”を与えられる記事が人気に
上記の通り、2021年は話題もニーズも非常に多様化したため、サイト運営も四苦八苦でした。なんせ2020年は、テイクアウトなどの話題の記事を発信すれば流入はあったのですから。
「何を求めているのだろう?」といろいろと思案しましたし、記事も作りました。新しいお店の情報、イベント記事、おいしい・おしゃれなお店の情報など。その中で物は試しとスタートしたのが「山陰の自販機記事」。
初めて自販機の記事をアップしたのは2020年9月。するとこれが異例のヒット。なぜ?と思いつつ、ほかにも記事をアップしていくと、次々にヒット。ラズダにおけるヒットメーカーになっていきました(笑)。
また、自販機と並行して「山陰フォト散歩」と題した、ゆる~くて情報量も少ない、もはやブログとも言うべき写真中心の記事の連載もスタート。すると、当たり外れはあるものの、「どうしてこれが!?」と記事を作った本人がビックリするぐらいヒットするものも。
結果、2021年の年間ランキング上位30位のうち、6本が自販機とフォト散歩に。
(月間約90本の記事を発信しているので、90本×12ヶ月=約1080本のうちの上位30位に、6本も・・・)
2021年の年間ランキングはこちら↓
これらの結果から、ユーザーのニーズに寄りそうことは非常に大切な一方、ニーズ関係なく“興味をそそる”や“妄想が膨らむ”といった理性的ではない考え方も重要であることが分かりました。
私たちが日ごろ使うスマホは超絶優秀です。あなたにピッタリの情報をセレクトして届けてくれます。それが当たり前になってきたため、自販機やフォト散歩のゆる~い見出しの記事が、ユーザーの心をぶるっと動かし、人気の要因になってきたのでは。気付きや予想外の出会い、といった具合でしょうか。(ひょっとすると、予想外の出会いや気づきこそが、スマホユーザーのニーズなのかも?とも)
今後、ダイバーシティの当たり前化が進み、少数が尊重され、ますます多様化が進むことは間違いありません。サイト運営も大変になるな~とビクビクしています。ですが、予想外の出会いを提供しつつ、ニーズに寄り添ったコンテンツを発信していくことで、成長は期待できるとも思っています。できていない記事、手法はまだたくさんありますし・・・。
ダラダラと長くなりましたが、2022年も“地元の魅力再発見”のコンセプトをぶれずにやっていきます!